背景と経緯
  • 約15年前に、UMLモデリング推進協議会(UMTP)において、モデルベース思考法(Model Based Thinking : MBT)の企画・研究を始めました。講演やワークショップなどの実績を重ね、2016年には<最強シンプル思考術>を書籍として出版しました。
  • 当初よりこの企画に参加し、本の著者でもある、吉田 塁氏(現 東京大学准教授)がワークショップの講師として中心的に活動してきました。ワークショップの対象者は大学生から、一般ビジネスマン、ソフトウェア開発者、研修医師、大手製薬会社研究者、大手自動車部品メーカー技術者などはば広い分野からの参加です。
  • アンケートによる評価では講演、WSとも90%以上の参加者が満足以上と回答しています。
    このような評価をもとに、UMTPと共同でソフトウェア開発者に向けた、基礎設計能力を向上させる思考法として普及させていきたいと考えています。また、一般社会人に対しても現場ですぐ役立つ思考法として、普及させていきたいと考えています。
モデルベース思考
  1. 世の中のモノ・コトをモデル化することで、枝葉末節を取り払い、構造を見出すことができます。これはいわば理系の発想であり、通常は数式などを使うため一般には難しいイメージが
    ありますが、モデルベース思考法では、ソフトウェア・エンジニアリングで利用されている
    オブジェクト指向の考えをベースに、四角と線でモデルを表現することで、特定の知識を
    前提とせずに、モノ・コトをモデル化でき、柔軟な思考力をアップすることができます。
  2. 構造化されたモデルを抽象化することで、全く違う分野での応用が可能になります。
    このような能力は著名なハーバード大学経営学者カッツの唱える、コンセプチュアルスキル
    を養成する具体的なトレーニング方法でもあります。コンセプチュアルスキルとは、<概念化能力とも言われ、抽象的な考えや物事の大枠を理解する力を指す。具体的には論理思考力、問題解決力、設計能力などが挙げられる>
  3. 思考法には、ブレーンストーミングのような発散系と、情報の整理をする収束系があります。
    モデルベース思考法は、収束系ですが、単なる整理法ではなく、その奥に潜む構造を取り出し、抽象化することでモノ・コトの本質を理解できます。

IoTやクラウド、AI時代のIT技術者・開発者にとってはもちろん、DXでビジネス変革を求められビジネスマンにとっても、問題の本質を見極める力を育て、発想力のあるソリューションを提供できる能力を育てる思考法です。

イメージ図